自分を愛するために

旭川まなみ、大学4年生。自分が嫌い・自分に自信がない…そんな現状を変えたくて試行錯誤しています。

現代の「気持ちを伝える最強ツール」は手紙かもしれない

みなさん、

最近誰かに手紙を書いたのはいつですか?

 

私は最近大切な人からお手紙をもらいました。

 

そしてその経験を通して、

手紙を書いて渡す/渡されるという行為や手紙の内容そのもの……

とにかく手紙というものの持つ、人の心を揺さぶるエネルギーに感動しました。

 

それを伝えたくて今、記事を書いています。

この記事を読んで、手紙を使って気持ちを伝える人が増えたらいいなと思います。

 

 

 

私の「手紙観」を変えた手紙

私が最近もらった手紙は、恋人からの謝罪の手紙です。

彼とデートしていた時、なんの前触れもなく突然私が爆発して途中で「帰る!!!」と帰ってしまったんです。

そのことについて彼からもらったお手紙です。

この手紙が私の「気持ちを伝える」ことの考え方を大きく変えました。

 

「もう帰る!!!」小さな不満が爆発したあの日

私と彼との関係は1年2ヶ月ほど続いています。

だんだん安定してくる時期ですね。

私たち、共通の知人から付き合っていることをほぼ100%驚かれる、似ていない者同士のカップルです。

具体的には、

考え方の深いところは似ているのだけれど、

表面的な趣味やファッションや交友関係はまるで正反対

 

抽象的だし、この言い方が適切かどうかわからないけど、

私が月で彼が太陽だと思っています。

つまり、私は交友関係が狭くて社交は苦手、でも考えることは得意でぱっと見地味。

彼は、派手で友達も多く、初対面にも動じない。いろいろなことに手を出す。

こんな私たちなので、もちろん衝突も多いです。

 

衝突も多いんだけど、

実は問題なのは衝突そのものではないのです。

衝突になることができずに、

胸の奥にしまい込まれた「小さな不満」の蓄積

そしてその爆発

これこそが一番の問題でした。

 

例えば、私の「小さな不満」はこのようなことでした。本当に些細なことです。

・待ち合わせの時間に3分5分ほど遅れてくる

・いつも彼の好みに合わせたデートや食事

・彼が私の話を最後まで聞いてくれない

・彼が私をからかうことを言う など……

 

誤解のないように言うと、私は彼のことが大好きで愛しています。

今回は本筋から外れるので伏せますが、大好きな部分はもっとたくさん挙げられます。

でも、小さな不満に心を蝕まれていた時はその部分が見えず、「嫌いなところだらけの彼」になってしまったのです。

 

……その日、私たちは一日中一緒にいましたが、

そのうちほとんどが彼の好みのデートでした。

彼のペースでたくさん歩いて、彼の好きなお店に入って…

 

確かに不満はありました。

でも、彼が喜んでいるのならそれでいいかと、ある意味では諦めていたのです。

私はしたいことをしたいとも言えず、「あなたが好きなことは私も楽しい!」と言い、

気に入られる彼女像になるためのなるための「演技」をずっとしていたのです。

(その最中にいる時は無自覚でしたが)

 

デートも終盤となった夕方5時、なぜか自然と涙が溢れてきました。

「もうつかれた」

とても素直な気持ちでした。

私は、彼に合わせることに、そして自分の気持ちを言わないことにもう疲れてしまったのです。

「帰る」

涙が止まらないまま駅まで歩いて、家に帰りました。

彼は、乗り換えの駅までは追いかけてきましたが、それより後は諦めて帰ってしまいました。

 

もう私たち終わりかな、と思いました。

 

 

それから連絡を取らずに数日、

電話で私が彼に不満をぶちまけました。

今までの嫌だったこと、本当はこうして欲しかったこと。

泣きながら、とても感情的に話しました。

夜の1時から2、3時間は話したと思います。

途中、自分でも何を言っているのかわからなくなりながら。

気がついたら眠りに落ちていました。

 

そこからさらに数日

彼から手紙を渡されます。

 

彼は直接渡したいと言っていましたが、

私が拒んだため、手紙は家のポストに入れられました。

 

 

 手紙を受け取ることで私の中に起きた変化

手紙の内容は、主に謝罪でした。

私が感情的に主張したことを全て受けとめ、

一度肯定した上で、自分のどこが悪かったか、ひとつひとつ丁寧に書いてありました。

便箋4枚にもわたる手紙です。

 

1年以上一緒にいても知ることがなかった深い考えが、そこには書いてありました。

ただ単に謝るだけではない。

許してもらうことが目的なのではなくて、

これから二人でどうすればいいのか、

どうすれば二人が一緒にいられるのか、

真剣に考えられた手紙でした。

 

はじめに読んだ時、涙が止まらず、そのまま連続で5回ほど読みました。

彼の考えが、深い思いやりと愛が、筆跡を通して伝わってきました。

 

 

あの日の私は「もう帰る」と言いながら、この関係はもう終わりだと思いました。

こんなにも似ていなくて、分かりあえる部分の少ない私たち。

限界を感じていました。

 

でも、この手紙を読んで、

「私たちは分かりあえる」

「納得や理解ができなくてもお互いに許すことができる」

と確信しました。

 

私のことを第一に考えているのだという彼の思いやりが伝わる、素晴らしい手紙です。

記事のわかりやすさのために公開したいくらいですが、

宝物なのでそっとしまっておくことにします。

 

手紙に返事を書いた

私は彼からの手紙の返事を口頭でしようと思っていましたが、

彼からぜひ手紙の返事を書いて欲しいという要望があったので、そうすることにしました。

 

手紙を書くために私は、夜10時の人がまばらで静かなコーヒーショップに入りました。

便箋を広げ、ボールペンをノックし、

「よし書こう」と思った時、すぐには書き出せない自分に気づきました。

 

何から書き出そう、私はこの手紙を通して何を伝えたいんだろう。

しばらく考えました。

考えるために、彼のことを思い出したり、もらった手紙をさらに5回ほど読み返しました。

 

書き始めてからも、これで伝わるか、大切なことを書き忘れていないか、など

たくさんのことを気にし、少し書いては手を止めてコーヒーを一口。

最初から読み直してまた少し書く。この繰り返し。

結局、11時30分の閉店時間ギリギリに手紙が完成しました。

 

ずっと言えなかった「私の言いたいこと」「私の気持ち」が詰まった5枚の手紙が完成しました。

 

手紙を書く中で私に起きた反応

手紙を書く中で私は、

「あれ?こんなにじっくり相手のことを考えたのは初めてかもしれない」と感じました。

 

受け取り・応える

その最も丁寧なやりとりを私は今しているのだという確かな意識がありました。

 

手紙を書いているうちに、彼との楽しかった思い出をたくさん思い出しました。

彼が私のためにしてくれたこともたくさん思い出しました。

 

手紙を書くという作業は、

不足感でいっぱいだった私に「目の前にある大切なもの」を見せてくれたのです。

 

 

 

なぜ今手紙か

現在、ほとんどの人が、文字で表現する時に何を使っているでしょうか? 

それはおそらくパソコンやタブレット端末、スマートフォンなどデジタルなものでしょう。

 

手紙はそれらとは一線を画すアナログなものです。

手紙で表現することはとても効率が悪いです。

例えば「ありがとう」という言葉をペンで書く半分以下の時間で私たちは「ありがとう」とデジタルデバイスで入力することができます。

 

しかし、ここで立ち止まって考えてみてください。

早く、効率よく文字で表現できるということはどういうことか。

 

デジタルデバイスでの高速入力は、

思考を追い越す速さで行われる。

ということです。

 

LINEで「おはよう」と打つ時に、本当に「おはよう」と思いながら打っていますか?

頭でそう思うよりも指の動きが先行し、無意識的に表現していませんか?

 

一方手書きでは、書くことに時間を要するため、

自分が実際に表現している内容を脳内で反芻する余裕があります。

 

手書きは思考を追い越さない。

自分が心から思ったことを外に出していく。

 

ひとつひとつの内容について頭で吟味してからアウトプットするということがごく自然に行われます。

 

 

まとめ

 

自分の気持ちと丁寧に向き合い、相手に伝えるために時間をかけるということ。

これは、スピード重視の現代で軽視されてきたことです。

でも、何かのきっかけでふと立ち止まった時、迷った時、

自分が本当に考えていること自分自身で知り、誰かに伝えたくなるはずです。

 

その時は手紙の出番ですね。

 

 

最後まで読んでくださってありがとうございました。